シルクロードの見所
兵馬俑・秦銅車馬展覧館<西安>
兵馬俑博物館の一角に 秦銅車馬展覧館がある。陵墓には兵馬俑坑の他、銅車馬坑、馬廐坑、珍禽奇獸坑など樣々な府蔵坑もあり、全部で2000余りあるといわれている。銅車馬坑から2組の銅製馬車がここに移動された。その他、さまざまな種類の貴重な兵馬俑も展示されているので一号坑、二号坑などで遠目でみていた兵馬俑を真近で細かい細工を見学できる。
これらの銅車馬は実際の2分の1のサイズ。車、馬は青銅質で、多くの金銀に彩られ、全体に彩色の花紋があり優美。現在まで発掘された車馬の中では保存状態がよく、華美、とあって世界でも貴重な車馬になる。
左側一号車は先導車になり、長い銅製の傘蓋があり、その下にいる御者は腰に剣を持っている。二号車は秦の始皇帝の専用車。セダンタイプで窓、ドアも開閉自由。御者が車の前に乗っている。二台とも四頭立ての馬車で、車体に美しい模様が描かれ、色彩も豊か。金銀製の装身具、2200年前の金属加工の精密さ、技術の高さに驚かざるを得ない。
鎧俑の中には、跪き射 り俑、立射り俑など多数あり、写真は跪き射 り俑。
兵士俑の中の重装歩兵俑は鎧をかける。一、二、三号兵馬俑坑の中で鎧俑の数が一番多く、歩兵俑の約80%を占めている。
鎧俑の姿形、髪の結い方など千差万別なのでこの博物館で見比べるといい。
中国古代史では、人が死んでも魂は死なず、冥土の世界では現世と同じ世界が広がるという念があった。死者に対する葬儀、埋葬は生きている時持っていたものは死後も持つべきであるという概念。そういったことから、陵墓全体の構造、殉葬の品は皇帝生前のまま扱われた。
兵馬俑はまだ発掘途中である。秦始皇帝陵墓は古代遺産で、発掘が進めば進むほど、新しい遺跡や遺物がどんどんと出てくるはず。
旅行者の観光名所であり、考古学者の夢の場所なのである。
シルクロードの見所
2005年10月12日 14:49
yukinko
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