未だかつて乗ったことのないような、せまくて硬い寝台列車に揺られ、チェコのプラハからハンガリーのブダペストへ入った。
ウィーンとプラハでは結構寒い日が続いていたのに、ブダペストに来た途端、温度が急上昇。気温の差というのは結構身体に影響するものだが、私の場合は偏頭痛という形で発生する。おかげでここ数日、薬の手放せない日々が続いている。
ブダペストにはいわゆるユースホステルの他に、プライベートルームという安宿がある。これは家庭の空き部屋を旅行者に貸しているもので、簡単にできるホームステイのようなものだ。アパートの一室を何人にも貸している場合もある。国際線が到着すると、部屋貸しのおばちゃんたちが旅行者に声をかけるので、興味がある人はおばちゃんたちの声に耳を傾けるのもいいかもしれない。
めんどくさがり屋の私は、おばちゃんたちに声をかけられるのを待っていることもある。
宿探しは結構大変だ。インフォメーションデスクで良い宿が見つかるとは限らないし、ガイドブックにある情報から得たイメージと実際が異なっていたり・・・。自分の足で探すとなるともっと大変で、重いラゲージを背負ったまま一時間も街をさまようハメになったこともある。
その点、おばちゃんたちは情報をたくさん持っている。
「シングル使用で町中」を探していると告げると、一人のおばさんを連れてきてくれた。そのおばさん、ギゼラが持っているアパートを貸してくれるという。
アパートはブダ側(ブダペストはドナウ川を挟んでブダとペストに分かれている)、キラーイ温泉とルカーチ温泉の間にあった。地下鉄、トラム、バス停まですぐだし、徒歩1分圏内に銀行、スーパー、ネットカフェがある便利な環境。部屋も清潔なので借りることに決めた。
部屋で荷を解き、一休みしてから買い物。その後は寝台列車の疲れをとらなきゃ!
とさっそく温泉へ。
行ったのは伝統的なトルコ風呂、キラーイ温泉。アパートから徒歩3分、最高である。
400年以上の歴史があるこの温泉は、オスマン朝の支配下にあった時期に作られたものだという。月・水・金が女性、火・木・土が男性と使用できる日が分かれている。
中は裸が原則で、日本の温泉のようだった。
中央に大きな六角形の浴槽、ドームにあいた明かり取りから差し込む太陽光が、何とも異国情緒溢れているけれど。この横には40度と36度、28度の浴槽がそれぞれあり、サウナも異なる温度のミストサウナが用意されている。
久々の温泉に大満足。夜は閉まってしまうのが難点だけど・・・。
翌日は朝から市内を観光し、昼寝をしてからゲッレールト温泉へいった。
こちらの温泉も歴史は古く、20世紀初頭に建てられた建物はアールヌーヴォー様式で、
外見も内装も一見の価値有り。浴槽エリアは、壁や天井に貼られたタイルのモザイクが美しい。
お湯はちょっとぬるめで、36度と38度。長い間浸かっていられる温度だ。
他にキラーイ温泉と同様、温度の違うミストサウナが用意されている。
ただこの温泉、観光客が多く、みんな水着!!!
ハンガリーの伝統的な温泉は基本裸なので、私もそのつもりで行ったのに、裸だったのはハンガリー人のおばちゃんたちと私だけ。みんな水着の中裸というのもハズカシイが、そんなことお構いなく温泉を堪能したけど・・・。それはちょっと、という人は水着を用意した方がいい。
ちなみにこのゲッレールトは、プールの使用料も温泉使用料の中に含まれているので、どちらも楽しみたい人は水着必携。お風呂場の手前にはシャワーもあるので、お風呂上がりに身体を洗いたい人は、シャンプーやリンス、石鹸類も持っていった方がいい。タオルはシーツのようなモノを貸してくれるので心配ない。
ブダペストは観光ポイントの合間にこうして温泉が点在しているので楽しい。
入り比べてみるのもまた一興。
明日はどの温泉にしようかな??
一日一つの温泉を巡る、なかなかぜいたくな楽しみだ。
今、ブタペスト?
そう言えば取材の旅は3ヶ月間でしたよね、
いいな~、仕事で旅だなんて。
とは言えませんよね、観光旅行ではないのでときたまプレッシャーもストレスも湧きませんか?
それにしてもブタペストの温泉、ゴージャスですね。羨ましいかぎりです。
私にもオファーこないかな~(爆)
残りおよそひと月、
お体をご自愛ください。