イタリア
古都ヴェローナで聴く、クラシックコンサート。(5月15日/出発から34日目)
ヴェローナといえば、かのロミオとジュリエットの舞台として名高い。シェイクスピア自身はヴェローナを訪れたことはなかったそうだが、この街のあちこちにロミオとジュリエットゆかりの場所(!?)が残されている。古い町並みと赤い屋根、あちこちから聞こえてくる教会の鐘の音が印象的な、
小ぎれいでおしゃれな街だ。
そのヴェローナで有名なのが、古代ローマ時代の円形劇場で行われるオペラ。もしかしたらやっているかも・・・と期待して行ってみたが、まだ時期が早かった。舞台ではオペラ「アイーダ」の舞台設営の真っ最中で、開催は6月以降とのこと。残念だが、今回はあきらめるしかなかった。
未練がましく円形劇場の周りをウロウロしていたら、「5/15 アレーナ(円形劇場)でコンサート」のポスター。演目はベートーベンのエグモント序曲、モーツァルトのピアノコンチェルトK.491、シューベルトの交響曲第4番ハ短調「悲劇的」(しぶい!)。ちなみにエグモントはベートーベンの序曲の中で私が最も好きな曲だ。
ポスターはイタリア語だからよく分からないけど、どうも17:00開演らしい。それにしてもこの大きなアレーナの一体どこで??野外でシューベルトってありなの??謎は深まるばかりである。
これは行くしかないでしょう!と開演30分前にアレーナに行ってみたところ、受付の人が「それはテアトロ(劇場)でやるのよ」と教えてくれた。テアトロはブラ広場(ヴェローナのメイン広場)の片隅にひっそりとあった。よくよくポスターを見てみると、演奏が「ヴェローナのアレーナ交響楽団」によるもので、アレーナが会場ではなかったのだ!!(おかしいと思ったよ・・・)
ひっそりとして目立たない劇場だけど中はとても豪奢なもので、ジーパンで入場する自分が恥ずかしかった。ボックス席貸し切りで13ユーロと日本と比べるとかなり安い。何てベートーベンって重厚なのだろう。何てモーツァルトってきらびやかなのかしら。シューベルトの柔らかな旋律にもうっとり・・・、と本当に楽しいひとときだった!MP3プレイヤーをなくしたときから音楽は自分の頭の中で再生するしかなかったので、飢えた心がようやく潤った感じだ。
ヴェローナに来てからというもの、頭の中は常にチャイコフスキーの「ロミオとジュリエット」、あるいはプロコフィエフの「ロミオとジュリエット」が流れていたのだが、この夜の私の頭の中はずっと、ベートーベンだった。
次はぜひ、イタリアものを聴きたい!!
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