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大移動、大移動、そしていよいよイタリアへ!(4月23日/出発から12日目【2】) [ギリシア]

5時間に及ぶデルフィからの大移動、それから1時間以上もバックパックを担いでホテルを探し回ったのが昨日。続いて、23日は早朝からメテオラでのトレッキングで歩き回ること半日。メテオラから下山し支度を整えてイオアニア行きのバスに乗ったのは、15:30を回っていた。

バス乗り場のお姉さんの話によると、イオアニアまでは3時間、そこでバスを乗り換えてイグメニッツィアに向かうのだという。イオアニアからのバスは19:45に出発し、2時間でイタリアへの船の玄関口・イグメニッツィアに到着するとのことだった。

ところが、船の出航は23:59。チェックインはその2時間前、つまり22:00。それまでにチケットを手に入れねばならない。バスが遅れるのはしょっちゅうあることで、つまり、今晩中のイタリア行きは不可能に思われた。ここで遅れるのはやむを得ないけど、イグメニッツィアでの一泊は面倒だ。できれば今晩のフェリーに乗りたかった。



あれこれ悩んでも仕方ないので、できるだけ体力を回復しようと熟睡。ふと目覚めると、一面が雪景色でびっくりした。さきほどメテオラから遙か遠くに見えたピンドス山脈を横断しているのだ!美しい風景に、疲れていた心が和んだ。途中、メツォヴォという、ピンドス山脈の合間に位置する小さな町を通過した。まるでアルプスの山間にあるような、かわいらしい町で、見ているだけですっかり私は元気を取り戻した。

疲れるバスの旅だが、身体も心も、その風景で癒してくれることがあるのだ。内陸部の知識が全くなかったが、ギリシアの本当の魅力は内陸部にあるのではないかと思ってしまった。万年雪をかぶる2000m級の山々、新緑が美しく、花の咲き乱れる高原地帯。どれを取っても絵になる。このルート、本当にスバラシイのでぜひみなさんにもお勧めしたい。



イオアニアには定刻につき、19:45発のイグメニッツィア行きに乗り換えた。遅い時間にイグメニッツィア入りするのはいやだったが、バスはこれしかないのだ。仕方がない。イグメニッツィアの港が見えてくると、窓の外を見て、めぼしいホテルと旅行社を探した。何と旅行社はまだ開いていた。私のようにかけこみでやってくるおバカな旅行者にフェリーチケットを売るためだ。

バスの到着は21:40。あと20分でチェックインせねばならない。バス停の目の前に旅行会社があったので、そこに飛び込んでチケットを下さいと言い、ユーレイルパスを見せた。私のパスはギリシアとイタリアで有効のモノで、フェリーにも乗船できるのだ。ところがカウンターの女性は首を振り、「新港の中央オフィスでしか扱ってない」という。さらに気の毒そうに大荷物を担いだ私を見、「ここから1キロはあるけど・・・。22:00で閉まっちゃうけど・・・」という。

すでに15分を切っていた。諦めきれず、見えもしない新港に向かって走る私。しかし300mもいったところで力つきた。ダメだ・・・、疲れが相当たまっている。深く深呼吸し、現在の状況を冷静に判断した。「絶対間に合わない。間に合わせるには車で行くしかない。」

そう、タクシーだ!ところが、タクシーはやってこない。誰か私を新港まで連れて行ってと手を挙げると、一台の車がストップしてくれた。彼は港湾で働く職員で、あせっている私に、「大丈夫、落ち着いて。カウンターまで連れて行ってあげるから」といい、私を送ってくれた。うぅ、本当にありがとう。彼に「ギリシアは好きか」と聞かれ、もちろん大好きよ、と答えた。

親切なギリシア人のおかげで無事にBlue Star社のフェリーに乗船。ベッドを取ろうと思ったら、一泊50ユーロもすると言われて諦めた。今晩は我慢して、明日ステキなホテルに泊まろう。身体は限界、足腰が痛い。とてもイスに座って寝てられないので、床に横になった。寒さが足下からやってきて、寝袋が欲しくなる。ついに寝床が床になったよ・・・、嫁の貰い手がなくなるわけだ・・・、とひとりごちて、浅い眠りについた。

怒濤の一日だったが、何とか周囲の助けを得てイタリアへ向けて出発した。

助けてくれたみんな、ホントにどうもありがとう!
そしてギリシア、さようなら!!
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categoryギリシア  time2005年04月25日 04:10

奇岩の上に建つ修道院群、メテオラ。(4月23日/出発から12日目【1】) [ギリシア]

朝は8:20カランバカ発のバスに乗って、修道院群の一番上にある、メガロ・メテオロン修道院に向かった。バスで乗り合わせたのは昨日もラミアからのバスで一緒だった、日本人の女の子3人と同じく日本人の男の子1人。というか、このバス、観光客は日本人だけだった・・・。

世界遺産に登録されているこのメテオラの修道院群は、ギリシアの中央を貫くピンドス山脈の東麓に位置する、巨大な岩の上に立てられている。その空中にぽっかりと浮かんでいるかのような姿に、まるで神様の国に迷い込んだかのような錯覚を覚える。12世紀くらいからこの地の岩陰などに隠者が住み始めたそうで、14世紀になってからあいついで修道院が建てられたのだという。この聖なる地では、今もなお、敬虔な修道士たちが暮らしている。今世紀始めまでは縄ばしごしかなかったと言うから驚きだ。



これまたスバラシイ遺跡且つ有名な遺跡なので、ここでは敢えて下手な感想を述べない。写真のページにメテオラの写真をたくさんアップしたので、そちらをぜひ見て欲しい。

こぢんまりとしたヴァルラーム修道院では、修道士が賛美歌を歌っていた。どうしてこう、人々が神に捧げる祈りの歌とは美しいのだろう。その素朴な歌声と、複雑な音階のメロディーの前に、私も頭をたれた。私はクリスチャンではないが、彼らの信仰への敬虔な気持ちが、私にそうさせたのだった。ギリシア唯一の土産として、修道士の歌声が入ったCDを購入した。

カランバカの町からメテオラの頂上にあるメガロ・メテオロン修道院までは日にたった2本のバス。頂上から半日をかけてトレッキングしながらいくつかの修道院を回ろうというのは、私たち日本人以外にはおらず、他の観光客は大きなバスでやってきていた。フランス人も多いのだが、日本人の観光客も多い。汗だくになって坂を上っていると、JTBのバスからみなさんが手を振ってくれた。



今回のトレッキングで一緒になったのは先日バスで一緒になった日本人の女の子3人組。職業はなんと成田の税関職員!!いつもお世話になってマースと、CIQ(税関、入管、検疫の略)話に花を咲かせる。私は船上でCIQ担当者だったので、世界中の港の官憲と仕事をしていたのだ。「こんなもの持ち込むお客さん、いるよね~」とかなりマニアックな話が出来て楽しかった。トレッキングは約半日、6時間に及んだが、最後の修道院・アギオス・ステファノス修道院へは行けなかった。今晩出航のイタリア行きのフェリーに乗りたかった私は、何としても15:20発のイオアニア行きのバスに乗りたかったから。

カランバカの町へのトレッキングコースがある、アギア・トリアダ修道院で3人と分かれてから、一人黙々と下山した。身体は疲れていたが、昨日の精神的なショックも3人とのおしゃべりと、すばらしい風景に心癒され、すっかり足取りは軽かった。

これからすさまじい夜になろうとは・・・、この時はまだ、知る由もなかった。。
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categoryギリシア  time2005年04月25日 04:06

旅の仲間。(4月22日/出発から11日目) [ギリシア]

すっかりお気に入りのデルフィから次の町に移動するのは非常に面倒だった。

この街を離れ、今日は終日カランバカまで移動せねばならない。デルフィからラミアの町までバスで出て(日に2本!!)、そこからトリカラまで移動(2時間に一本!)、さらに奇岩で知られるメテオラの麓の町、カランバカまでバス(1時間に一本!)・・・。たぶん6時間にも及ぶ大移動だ。果たしてバスに迷わず乗れるのか・・・。

10:20デルフィ発のバスの乗ろうと待っていると、やってきたのは私の部屋の隣に宿泊していたアメリカ人のジェニファーとクリスだった。二人ともかれこれ旅を始めて2年(ヨーロッパの旅人には年単位が多い・・・)になるそうで、ジェニファーは3年ほど英語教師として宮崎に住んでいたのだそう。

二人もカランバカへ行くとのこと。やった!!旅の仲間が増えた。仲間がいると何かと心強い。
トイレに行くときにちょっと荷物を見てもらったり、情報交換をしたり、何かと相談できるからだ。

何だか旅はロールプレイングゲームに似ている。目標があって、目標に向かって情報を集め、時に仲間を作る。怪物こそでてこないけど、仲間と共に困難を乗り切り、宿屋に泊まって体力を回復するあたり(^^、そっくりだ。ただし、ゲームと違って全て自己責任、作られたお話ではないので、どんな話を作り出すかは自分次第なのだけど。

バスは少々遅れてやってきた。デルフィからラミアまでの道は山を登ったり降りたりで、なかなか楽しいモノだった。ラミアのバス停が問題だ。2時間も待たねばならないのか、あるいは今日のバスはもうなかったりして・・・。こういうとき一人だとあれこれ妄想して不安に陥りやすいが、仲間がいたのでちっとも不安ではなかった。まぁ、今日中につかなければどこかに宿を取るだけなのだ。

問題のラミアに到着すると、バスを待っていた欧米人の女の子が「トリカラへ行くの?もうあと数分で来るから、切符を買っておいで!」と親切にも教えてくれた。ラッキー!ついている。すぐに窓口へ走り、チケットを手に入れた。バスはすぐにやってきたが、何と既に満席。トリカラまであと2時間、立たねばならなかったが、それでもデルフィでの2泊が私をかなり元気にさせてくれていたので、何のことはなかった。バスには日本人の女の子3人が乗っていた。聞くと、10日間の予定でギリシアを旅行しているという。彼女たちは、明日のメテオラ観光での旅の仲間となる。

トリカラで降ろされた私たちは、再びチケットを買って、今度はカランバカ行きのバスに乗った。これもすぐに接続していた。本当にラッキーだ。アテネからデルフィへのバスはバス停で2時間も待ったので、そのことを考えるとありがたかった。

カランバカに無事到着したのは、まだ日も明るい15:30。ところが、目的にしていたホテルは閉まっていた。それどころか、駅前に点々とあるホテルはことごとくクローズ。観光シーズンではないのだ。美しい奇岩がどこからでも臨めるこのカランバカの町を、宿泊する場所を求めて何と1時間以上さまよった。正直言って、もう一歩も歩けない・・・、というところでようやく「ROOMS」という看板を発見。ノーチョイス、そこを借りることにした。

明日はメテオラをトレッキングして、その後イタリアへのフェリーに乗るためにイグメニッツィアという港町へ行かねばならないのに、肉体の疲労は限界に達していた。せっかくデルフィで心底リフレッシュしたのに・・・。また、プライベートなことで大変恐縮だが、精神的大ダメージもくらってしまい、その日の夜は気力がなえて、サイトのアップも、原稿を書くことも何も出来なかった。意外に弱い私・・・、何だか涙が止まらなくて、やっぱりぬるいシャワーを浴びて、震えながらふとんに潜り込んだ。

明日の移動を考えると、気が重い・・・。
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categoryギリシア  time2005年04月25日 04:03

神々のおわすデルフィ。(4月21日/出発から10日目) [ギリシア]

すばらしい遺跡に出会ってしまった。
世界遺産にも登録されている「デルフィ遺跡」だ。

古代ギリシアでは、世界は円盤状のものであると信じられ、デルフィは「世界のへそ」、この世の中心であると考えられていた。紀元前6世紀頃からデルフィでの信仰が始まり、ギリシアだけでなく周辺にあった都市国家からも多くの人々が参拝に来て、大いにこの地は潤ったのだという。



標高2457mのパルナッソス山の山麓に、その遺跡はあった。
早朝の遺跡は、空気がピリリとして何だか神々しい。
遺跡の周囲には美しい花々が咲き、春の訪れを喜ぶみちばちと鳥の声に、クレタやロドスでは味わえなかったすがすがしさを味わい、その地に立っているだけでも感動がこみあげてきた。

この神聖な雰囲気を語るのは非常に難しい。

あんまり好みの遺跡なのでうまく言葉に出来ないけど、私が訪れた数多くの遺跡の中でもイチオシだ。すばらしいのは遺跡だけではなく、デルフィの小さな町も魅力的だ。

デルフィの町は遺跡から歩いて10分ほど。ギリシア中部地方独特だという赤い瓦屋根が印象的なかわいらしい家々。散歩するだけでも楽しいが、ここの町からの眺めは最高なので、ぜひとも一泊することをオススメする。



右側にはコリンティアコス湾が広がり、目の前には深い谷が広がる。ちょっとした山岳リゾートにきた気分だ。空気も清浄で、雰囲気の良いタベルナや、小ぎれいなペンションが軒を連ねているデルフィの町。

アテネからの日帰りツアーがほとんどだが、日帰りにはもったいない。遺跡の散策で古代世界に思いを馳せ、澄んだ空気を思いっきり吸い、おいしい食事に舌鼓を打つ・・・、そんなぜいたくな時間を過ごせる場所だった。

一泊の予定だったけど、結局二泊してしまいました・・・。
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categoryギリシア  time2005年04月21日 20:17

ヒトリゴト日記: 防犯。(4月20日/出発から9日目) [ギリシア]

今回の旅はパソコンを始め、無くなっては絶対困るモノがたくさんある。
CD-ROMでしょ、カメラでしょ、フロッピードライブも欠かせないし、ACコード一本が盗まれたって
この「リアルタイム旅日記」プロジェクトは終わってしまう。

ロドス島でうっかり、いつものようにドミトリーに泊まってしまったが、本来なら非常に危険だ。
大きなユースなどでは大抵部屋にロッカーがあって、各自持参の南京錠で閉められるようになっているのだが、島ではそういった所を探すのも難しそうだった。

となると、部屋をシングルユースするしかない。
ロドス島ではシェアしたのが日本人、それも3泊中1泊だけで、あとの2泊は必然的にシングルユースだったから助かったが、クレタのユースは24時間、ドミトリーの部屋のドアが開いているようなところだったので、シングルユースにした。

パソコンを持ち歩いて観光は出来ないのだから、これも必要経費。
こんなところでケチって、もしパソコンがなくなってしまったら・・・。それこそ、元も子もないのだ。

ちょっと高くても、しょうがないからシングルユース。
削れるところはこれで、食費だけになってしまった。

そういえば、トルコのレストランで食事をとったのと、ロドスのタベルナで昼食を取ったの以来、
食事らしい食事をしていない・・・(;_;

昨日もサンドイッチ、今日もサンドイッチ。
早くイタリアへ渡りたいような気がしてきた・・・。
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categoryギリシア  time2005年04月20日 23:04

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