ブルガリア
古代都市、「ネセバル」へ。(6月30日/出発から80日目)
ネセバルという、美しい遺跡の町があるらしいから行ってみたい、というようなことを話していたら、ヴァルナ行きのバスを運転していたおじさんが、「それならヴァルナから直通で出ているよ」と教えてくれた。
次の目的地は決まった。ネセバルだ!
ネセバルは3000年もの歴史を持つ古代都市。ユネスコの世界遺産に登録されているということくらいしか知識はなかったが、行ってみることにした。
ホテルが意外に居心地がよく、町からのアクセスもそんなに悪くないので、ネセバルへは日帰りで行くことにした。この暑い中、なんの情報もないネセバルで、荷物を担いでホテル探しをする気力はなかった。またまた途方に暮れるのは目に見えていたからだ・・。
ネセバル行きのバスは、中心地から市バスで5分くらいのところにあった。
日本だと、バス停は大抵駅前にあるので大変便利なモノだが、ヨーロッパではほぼ間違いなく町の外れに鉄道駅やらバス停やらが点在しているので、目的のバスを探すまでがやっかいだ。情報を元にようやくそのバス停へ行ったのに、実は違ってました・・・、ということもしばしばある。
バスを二本乗り継ぎ、ようやくバスステーションに到着したが、ブルガリアで使われているキリル文字は判読が非常に難しく、ネセバルの文字が探せない。近くのバスドライバーに「ネセバルへ行きたいのだけど、どのバス?」とジェスチャーで聞いてみる。
すると、「ネセバル行きは出てないよ。ブルガスへいかなきゃ」と言うではないか!またガセネタだったよ!!とがっくりしつつ、ブルガス行きのバスを探そうと切符売り場へ行くと、「ネセバル行きは20分後に出るよ」とおばさんが無愛想に教えてくれた。なんだ、やっぱりあるじゃん~、と一安心。
ネセバルへは2時間弱で到着した。ヴァルナから約100kmの道のりだが、ルーマニアにはなかった冷房車で快適だった。ブルガリア人は親切な人が多く、英語が出来る人は積極的に話しかけてくれる。「どこへ行くんだ、困ったことはないか」・・・、これは久しくなかったことだ。
ルーマニアでは、確かに親切な人が何人もいた。しかし人によってはあとからお金を要求してきたりと嫌な目にあったこともあったので、うかうか親切に甘んじられないという現実の厳しさもあったのだ。
ネセバルの旧市街はほとんど島のようで、細い道で陸地とつながっている。
世界最古の黄金文明を築いたというトラキア人によって作られ古代から繁栄してきたが、その交易上・戦略上の重要性から、ギリシア、ローマ、ビザンツィン、ブルガリア、そしてトルコと多くの民族に支配されてきた。2時間もあれば全て見て回れるような小さな島だが、その中にはその時代の支配者による建造物がたくさん詰まっている。
街には一階は石造り、二階は木造という、昔ながらの独特な家が建ち並ぶ。その大部分がホテルやお土産屋、そしてレストランとなっており、その家々の間に、ローマ時代、ビザンツィン時代の建造物が顔を出す。個性的な装飾がなされた14世紀の教会には緑色の陶磁器が埋め込んであり、なかなか見事だ。多くの民族に支配された割には保存状態もとてもいい。(詳細は写真集のページで!)
ネセバルからヴァルナへの最終バスは18:00発。
お昼は海辺のレストランでブルガリア料理を、午後はぶらぶらと街をお散歩。
夕方はバス停の前のレストランで、絵はがきを書きながら一休憩。
充実した一日だった。
ブルガリア
2005年07月06日 10:54
yoshii
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