ギリシア
奇岩の上に建つ修道院群、メテオラ。(4月23日/出発から12日目【1】)
朝は8:20カランバカ発のバスに乗って、修道院群の一番上にある、メガロ・メテオロン修道院に向かった。バスで乗り合わせたのは昨日もラミアからのバスで一緒だった、日本人の女の子3人と同じく日本人の男の子1人。というか、このバス、観光客は日本人だけだった・・・。
世界遺産に登録されているこのメテオラの修道院群は、ギリシアの中央を貫くピンドス山脈の東麓に位置する、巨大な岩の上に立てられている。その空中にぽっかりと浮かんでいるかのような姿に、まるで神様の国に迷い込んだかのような錯覚を覚える。12世紀くらいからこの地の岩陰などに隠者が住み始めたそうで、14世紀になってからあいついで修道院が建てられたのだという。この聖なる地では、今もなお、敬虔な修道士たちが暮らしている。今世紀始めまでは縄ばしごしかなかったと言うから驚きだ。
これまたスバラシイ遺跡且つ有名な遺跡なので、ここでは敢えて下手な感想を述べない。写真のページにメテオラの写真をたくさんアップしたので、そちらをぜひ見て欲しい。
こぢんまりとしたヴァルラーム修道院では、修道士が賛美歌を歌っていた。どうしてこう、人々が神に捧げる祈りの歌とは美しいのだろう。その素朴な歌声と、複雑な音階のメロディーの前に、私も頭をたれた。私はクリスチャンではないが、彼らの信仰への敬虔な気持ちが、私にそうさせたのだった。ギリシア唯一の土産として、修道士の歌声が入ったCDを購入した。
カランバカの町からメテオラの頂上にあるメガロ・メテオロン修道院までは日にたった2本のバス。頂上から半日をかけてトレッキングしながらいくつかの修道院を回ろうというのは、私たち日本人以外にはおらず、他の観光客は大きなバスでやってきていた。フランス人も多いのだが、日本人の観光客も多い。汗だくになって坂を上っていると、JTBのバスからみなさんが手を振ってくれた。
今回のトレッキングで一緒になったのは先日バスで一緒になった日本人の女の子3人組。職業はなんと成田の税関職員!!いつもお世話になってマースと、CIQ(税関、入管、検疫の略)話に花を咲かせる。私は船上でCIQ担当者だったので、世界中の港の官憲と仕事をしていたのだ。「こんなもの持ち込むお客さん、いるよね~」とかなりマニアックな話が出来て楽しかった。トレッキングは約半日、6時間に及んだが、最後の修道院・アギオス・ステファノス修道院へは行けなかった。今晩出航のイタリア行きのフェリーに乗りたかった私は、何としても15:20発のイオアニア行きのバスに乗りたかったから。
カランバカの町へのトレッキングコースがある、アギア・トリアダ修道院で3人と分かれてから、一人黙々と下山した。身体は疲れていたが、昨日の精神的なショックも3人とのおしゃべりと、すばらしい風景に心癒され、すっかり足取りは軽かった。
これからすさまじい夜になろうとは・・・、この時はまだ、知る由もなかった。。
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