ギリシア
旅の仲間。(4月22日/出発から11日目)
すっかりお気に入りのデルフィから次の町に移動するのは非常に面倒だった。
この街を離れ、今日は終日カランバカまで移動せねばならない。デルフィからラミアの町までバスで出て(日に2本!!)、そこからトリカラまで移動(2時間に一本!)、さらに奇岩で知られるメテオラの麓の町、カランバカまでバス(1時間に一本!)・・・。たぶん6時間にも及ぶ大移動だ。果たしてバスに迷わず乗れるのか・・・。
10:20デルフィ発のバスの乗ろうと待っていると、やってきたのは私の部屋の隣に宿泊していたアメリカ人のジェニファーとクリスだった。二人ともかれこれ旅を始めて2年(ヨーロッパの旅人には年単位が多い・・・)になるそうで、ジェニファーは3年ほど英語教師として宮崎に住んでいたのだそう。
二人もカランバカへ行くとのこと。やった!!旅の仲間が増えた。仲間がいると何かと心強い。
トイレに行くときにちょっと荷物を見てもらったり、情報交換をしたり、何かと相談できるからだ。
何だか旅はロールプレイングゲームに似ている。目標があって、目標に向かって情報を集め、時に仲間を作る。怪物こそでてこないけど、仲間と共に困難を乗り切り、宿屋に泊まって体力を回復するあたり(^^、そっくりだ。ただし、ゲームと違って全て自己責任、作られたお話ではないので、どんな話を作り出すかは自分次第なのだけど。
バスは少々遅れてやってきた。デルフィからラミアまでの道は山を登ったり降りたりで、なかなか楽しいモノだった。ラミアのバス停が問題だ。2時間も待たねばならないのか、あるいは今日のバスはもうなかったりして・・・。こういうとき一人だとあれこれ妄想して不安に陥りやすいが、仲間がいたのでちっとも不安ではなかった。まぁ、今日中につかなければどこかに宿を取るだけなのだ。
問題のラミアに到着すると、バスを待っていた欧米人の女の子が「トリカラへ行くの?もうあと数分で来るから、切符を買っておいで!」と親切にも教えてくれた。ラッキー!ついている。すぐに窓口へ走り、チケットを手に入れた。バスはすぐにやってきたが、何と既に満席。トリカラまであと2時間、立たねばならなかったが、それでもデルフィでの2泊が私をかなり元気にさせてくれていたので、何のことはなかった。バスには日本人の女の子3人が乗っていた。聞くと、10日間の予定でギリシアを旅行しているという。彼女たちは、明日のメテオラ観光での旅の仲間となる。
トリカラで降ろされた私たちは、再びチケットを買って、今度はカランバカ行きのバスに乗った。これもすぐに接続していた。本当にラッキーだ。アテネからデルフィへのバスはバス停で2時間も待ったので、そのことを考えるとありがたかった。
カランバカに無事到着したのは、まだ日も明るい15:30。ところが、目的にしていたホテルは閉まっていた。それどころか、駅前に点々とあるホテルはことごとくクローズ。観光シーズンではないのだ。美しい奇岩がどこからでも臨めるこのカランバカの町を、宿泊する場所を求めて何と1時間以上さまよった。正直言って、もう一歩も歩けない・・・、というところでようやく「ROOMS」という看板を発見。ノーチョイス、そこを借りることにした。
明日はメテオラをトレッキングして、その後イタリアへのフェリーに乗るためにイグメニッツィアという港町へ行かねばならないのに、肉体の疲労は限界に達していた。せっかくデルフィで心底リフレッシュしたのに・・・。また、プライベートなことで大変恐縮だが、精神的大ダメージもくらってしまい、その日の夜は気力がなえて、サイトのアップも、原稿を書くことも何も出来なかった。意外に弱い私・・・、何だか涙が止まらなくて、やっぱりぬるいシャワーを浴びて、震えながらふとんに潜り込んだ。
明日の移動を考えると、気が重い・・・。
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