はじまり・旅の準備
旅のルート
「3ヶ月ヨーロッパ旅計画」の出発日が決まった。
4/12から3ヶ月、AIRはトルコ航空である。イスタンブールから出発してイスタンブールに戻ってくる予定だ。
そもそもなぜスタート地点がイスタンブールなのか??
ヨーロッパ、とりわけ東欧諸国の歴史は紀元前にまで遡るが、
私が一番好きな時代は「ルネサンス」。
花開いたのは文化だけではなかった。国のありかたも、戦争も、
宗教にも大変動があった時代だったのだ。
ルネサンスが花開く大きなきっかけとなったのは1453年の「コンスタンティノープルの陥落」。
言うまでもなくコンスタンティノープルとは現在のイスタンブールである。
私にとっては、ルネサンスの源流とも言うべき場所なのだ。
もちろんそれ以前にフィレンツェを始めとするイタリアの都市国家が
個々にその受け皿を用意しつつあったというのもあるのだけど、
それまで「暗黒時代」だったヨーロッパ、
特に国際的なイタリアに多くの文化人がコンスタンティノープルから
過去の遺産(知識)を持って亡命したというのが大きい。
キリスト教が支配する中世ヨーロッパではすっかり忘れ去られてしまった
ギリシアやローマ時代の科学技術や文化が、
ひょんなことからヨーロッパに「逆輸入」されたのだ。
(当時はイスラムの国々のほうがずっとレベルが高かった!)
14世紀から徐々に広がり始めたこの「再生」の動きは、15世紀、
16世紀とヨーロッパ全土に広がった。
それは神に支配されていた人々の、人間としての自由への飛躍の時代であり、
近代ヨーロッパ史の幕開けである。
塩野七生氏は言う。「強烈な批判精神と好奇心、これがルネサンスの本質である」と。
イタリアでは高度な文化が発展し、東西貿易のおかげでヴェネチアなどの
地中海最強の海運国が誕生したが、
15世紀になるとフランスやスペインでは絶対王政の確立が促され、
そのパワーは絶大なものとなり、
ヨーロッパ北部では宗教改革が起こり、
ローマを中心とするキリスト教世界の秩序が乱れ、
また、オスマントルコ帝国が地中海の制海権を握り始めると、
今度は新しい航路を求めてスペインやイギリスが競い合い、
大航海時代のピークへと達する。
ルネサンスでは最盛を誇っていたイタリアも、
いつしか上記の事情で、急速に衰えてしまう。
地中海世界はこうして終焉を迎えることになる。
ルネサンスは、こんなオモシロイ時代なのだ。
私の予定ルートには、こうした歴史上重要なポイントが点在している。
当時に思いを馳せ、地中海を旅してみたい、そう思う。
はじまり・旅の準備
2005年03月25日 18:58
yoshii
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