| 1 |
先日手に入れたダルマチア地方(クロアチアのアドリア海沿岸)の写真集の中に、「パグレース」なるものの写真があり、母がそれをめざとく見つけた。
母ときたらこの手のモノに目がない!!
レースだの刺繍だの織物だの何だのと、その手のモノが大好きなのだ。
母自身は自称人形作家で、日本人形やら西洋人形やらをせっせせっせと作っている。
「パグ島はどこにあるのかなぁ?この近くにあるんだったらフェリーで立ち寄っても楽しそうよね♪」と、すでに行く気満々。地図を広げて場所を確認すると、ザダールというアドリア海沿岸の真ん中にある街の側で、橋でパグ島へ簡単に行けるようだ。パグ島はアドリア海沿岸に張り付くようにある細長い島で、島の北部へ行けば再びフェリーで本土へ戻れることも分かった。
よし、単に本土を北上するよりも、島を北上してフェリーで渡った方が絶対面白い!と私も大乗り気でこの日のドライブはスタート。パグ島に関する情報はこの時点で何もない。あるのは一枚の写真で、女性がレースを編んでいる姿だけ!!トロギールからシベニクに立ち寄った後、高速を降りてこの「パグ島」なる未知の島へと渡った。
本土から島へ橋で渡り、北上を続ける。道は狭くて多少ガタガタだが、その風景は本土とは全く違って素晴らしい。思ったよりも簡単に目的地に着くことが出来た。クロアチアにしろスロヴェニアにしろ、道路標識が非常にしっかりしているので、地図がなくてもほとんど迷うことなく目的地に着くことが出来る。戦後間もないこともあり、道路が所々完成していないところもあるが、現在着々と建設中で今後の道路状況はさらによくなるだろうと思う。
パグ島の中心・パグはドイツ人やイタリア人が訪れるちょっとしたリゾート地で、澄み切った海岸線を持つ街だ。まだ6月の頭だが、既に海水浴できるくらい気温はあがっていて、ホテルにチェックインしたらさっそく泳ぎに行ってしまったほど。ホテルの人は日本人は初めてだと言っていたから、隠れたアドリア海のリゾート地だ。
パグ・レースは一体どこにあるんだろう?と街を歩いていたら、レース博物館を発見。ところがシーズンオフのため、今は開いていないのだという。「博物館はダメだけど、この通り沿いに歩いていけばおばあさんがいて、彼女がきっと編んでいるから見せてもらいなよ」とバーのお兄さん。さっそくその通りへと出かけてみた。
パグはとっても小さな街で、中心に教会、その横に例のレース博物館がひっそりとある。その中心からちょっと入った路地に、そのおばあさんの家はあった。窓をのぞき込むと、小さなおばあさんが独特の道具を使って一生懸命レースを編んでいた。その指裁き、見事!!まるで人間国宝だ。パグの女性が独特の民族衣装を身につけてレースを編んでいる様子を、その後別のパンフレットや写真集で見かけたので、ここのレースはクロアチアの中でよっぽど有名なのだろう。
こういった細かい細工が大好き&詳しい母曰く、「すばらしいもの」。お値段もやはり相当で、母は欲しいけど・・・と一晩悩んだが、最終的にその芸術品を手に入れた。繊細なそのレースは、大きなもの(左の写真)を編むのに6ヶ月以上かかるのだという。
何の情報もなかったパグ島だが、シーフードは最高、人々はハートフル、刺繍は素晴らしく、景色も文句なし、という滅多にない素朴でステキな場所だった。レースを求めて・・・、そんな旅もおもしろい。
クロアチアの西側は細長くアドリア海に面しており、そのあたりをダルマチア地方と呼ぶ。ダルマシア犬の生まれ故郷で、この地方には古くはギリシア・ローマ時代からの遺跡が点在し、それらを利用してさらに発展した中世の街が、今なお当時のままの姿で存在している。
その代表はクロアチアの南部にあるドブロブニク。以前から私が「一番美しい街」とイチオシしている街で、この旧市街からの風景は言葉に出来ないほどにすばらしい。そのドブロブニクで手に入れた写真集で他の都市の写真を見て以来、いつかダルマチア地方の古都を巡りたいと夢見ていた。
ぜひ行ってみたいと思っていた街の一つ、スプリットは先日訪れたプリトヴェッツェ国立公園から更に300kmは南下せねばならない。
そのスプリットから古都を巡りながら海岸線を北上すると、今回のドライブ走行距離はおよそ1500kmにも及び、メインドライバーのシニアな母と、サブを務めるペーパードライバーの私で、その距離を果たして乗り切れるものかとかなりの不安があった。そこで、「もうプリトヴィッツェ湖群国立公園で大満足。あとはもうあきらめるよ」と母に言ったら、「いいわよ、がんばるわ!行きましょう!」と言ってくれたのだ!!
ちなみに、ヴェネツィアの時点で「もう満足だから帰ろうかな」と言っていた母なのだ・・・。
疲れ切ってそんな気力はないだろうと思っていたのに、私の古都巡りにつき合ってくれると言ってくれたのだった。
そんなわけで、行ってきました、古都巡り!!今回は、北部にあるクロアチア最大の貿易港リエカ(川崎市の姉妹都市)、世界遺産の街スプリット、そして同じく世界遺産を持つ古都シベニク、小さな島に遺跡がたくさん詰まったトロギール(聖ロヴロ大聖堂が世界遺産)、そして再びスロヴェニアに戻り、スロヴェニアの最西端の港町・ピランを巡った。
ちなみに、本日で走行距離は1200km以上。
2人合わせて3m未満のちびっ子二人組、よくがんばりました・・・!!
古都の美しさを言葉にするのは少々気が引けるので、やはり写真をご覧下さい。
本日も頑張ってアップしました!
プリトヴィッツェ湖群国立公園は日本ではかなりマイナーかもしれないが、世界遺産にも登録されている、非常に美しい湖と滝がある国立公園だ。公園内には大小16の湖、92の滝が存在し、1990年代の内戦の際に危機にさらされたが、再び整備されて毎年多くの人々がその美しい湖を一目見ようとやってきている。
その美しさに息をのむ。
上流地域は繊細な滝が足下を流れ、それが小さな湖にそそがれる。苔むした岩の間からしみ出す清流、木の間を縫うように流れる清流。それらはやがて一つの流れとなり、川となって、下流の湖にそそがれる。上流の繊細な流れと、下流のダイナミックな流れ。それらは全く異なった姿をしていて飽きることがない。
言葉で書いてもその美しさ・神秘さを表現するのは非常に難しいので、
ぜひフォトアルバムを見て欲しい。(今回ははりきって19枚もアップしてしまった!)
ただし、見たら絶対行きたくなること必至なので、覚悟するように!(^^
トレッキングコースはたくさんあって、2時間~6時間と、それぞれの体力に合わせて気軽に出来るようになっている。中には4歳くらいの子供を連れて散歩をしている夫婦や、杖をつきながらのんびりと歩いている老夫婦などもいて、誰もが楽しめるようになっている。美しい風景に疲れも飛んでしまうハズだ。
一日で見て回ることも出来るがちょっとキツイので、オススメは一泊してトレッキングを二日に分けること。また、5月下旬の時点で日中はかなり暑いので、サングラス・帽子などの対策も大切だ。
湖の周りにはホテルが3軒あり、ニジマス料理などが楽しめる。
首都ザグレブから約3時間。日本からの直行便はないので、ちょっと時間がかかってしまうが、
クロアチアは遺跡やアドリア海だけでなく、こんなすばらしい自然も堪能できる国。
ちょっと惹かれているあなた、ぜひ訪れてみて下さい!
| 1 |
|