シルクロードの見所
ベゼクリク千仏洞窟 その2 トルファン
ベゼクリク千仏洞窟の目の前に広がる砂漠・・・ここではらくだにのって砂漠の上を歩くことができる。
シルクロードのイメージどおりの写真をとることができるポイントです。
入り口は、売店横の階段に沿って斜面を降りていく。崖に沿ってテラス状の回廊があり、ゆっくりと下っていくと洞窟にたどりつく。
ベゼクリクとはウイグル語で「美しく飾られた家」。当時、王族や貴族のための寺院とされていました。ベゼクリク千仏洞は、唐・五大十国・宋・元のおよそ7世紀にも渡る長い年月を経て、常に西域仏教の中心となっていました。現存する洞窟は57個、うち40個余りの洞窟に壁画が残っている。総面積は1200㎡。最盛期は回鶻人(ウイグル人の祖先)が高昌を支配していた時代で、この時代にほとんどの洞窟が制作されたといわれています。
現在、公開されているものは全部で8窟。
その中で見所として私が記憶に残った窟を紹介します。
<17窟>
中に入ると長い洞窟のようになっています。壁画がびっしりと描かれていますが、残念ながら剥ぎ取られた後のほうが目立っています。ハスの葉の台座に座っている仏像はとてもおだやかな顔をしています。22枚の絵物語も見所の一つです。
<20窟>
ベゼクリク千仏洞のハイライトです。王室寺院で入り口目の前に王族の絵が飾られていますが、これはコピー。本物はベルリン博物館に保存されています。入り口付近に長い壁画を模写した絵が飾られています。これはこの20窟の奥に描かれている絵物語を模写したものです。この絵物語は書くと長くなってしまうのですが、ある男が馬に助けられました。この馬はとても美しい馬。街の貴族たちがねらっているが見つけることができない。男は助けられた代わりに馬のことを内緒にするように言われたが、貴族たちの賞金に目がくらみ、馬の居場所を教えてしまうという話。ガイドさんが絵に懐中電灯をあてて、詳しくお話してくださいました。
<27窟>
壁全体にお釈迦様の絵が描かれていて、色合いもかなりきれいに残っています。真正面に描かれているハスの台座にのってるお釈迦様の絵はかなり保存状態がいいです。
<31窟>
27窟に比べ中が広く、壁画の壁も大きく見やすい。ハスの花が全体に描かれている。
<33窟>
仏教の法律を守る8人が真正面に描かれています。一人一人の表情がまったく違うのでよく見る価値があると思います。中央付近にモンゴル人がいるのですが、見つけることができるでしょうか???
<39窟>
一番新しい窟です。お釈迦様の立像が飾られています。観音菩薩の絵物語も描かれている。
ここベゼクリク千仏洞は20世紀初頭、ほとんどの壁画が外国人に盗み取られてしまい、現在は一部しか残っていません。何枚もの仏像の絵が真四角に切り取られ、地肌が見えていたことはとてもショッキングな出来事でした。
しかしながら、これら石窟内に残る仏像や壁画は、当時のウイグル文化を知るための貴重な資料となっており、大変な価値を認めたヨーロッパ人によって「保存」されたと評価する見方もある。そのままその場所に置いていたら、消失または散逸していたかもしれなかったと言われているからです。
ただ、一個人の意見として、博物館で展示されているより。元あった場所に同じように保存され、見学することができたらもっとよかったなと思った観光地でした。
シルクロードの見所
2005年06月03日 12:44
yukinko
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