シルクロードの見所
莫高窟 17窟・57窟 <敦煌>
莫高窟には現在492窟現存しております。そのうち、一般観光客が見学可能なのが40窟。その中でも一日でガイドと一緒にまわれる窟は10窟前後。ガイドさんがもっている窟の鍵にもより、さらに日によっても見学窟は違ってくる。ここでは私が見学した窟を紹介していきたい。
●17窟●
莫高窟は南区と北区に分かれています。北区は莫高窟を開削した画家たちが住んでいたといわれているところで近年、発掘調査が進んでいます。そして、この17窟は観光客に開放されている南区の北側に位置しています。ここは私は残念ながら見学することができなかったのですが、20世紀最大の発見がされた窟なので最初にご紹介したいと思います。
17窟は16窟の中にあり、16窟は「三層楼」の第一層にあたる場所にあります。
1900年、敦煌文書が発見された「蔵経洞」第17窟。当時、この界隈に住んでいた僧侶により発見されました。ただ、残念なことにこの僧侶によりほとんどの経典は外国に売られてしまいました。
ここは映画にもなった井上靖の「敦煌」でも西夏侵攻の混乱をさけるため、この文書を蔵経洞に運び込むというシーンがある。文書が蔵経洞に封じ込まれたのは西夏が敦煌を征服した以前ではないかという定説から成り立っているが、16窟の壁画を見るとその様式から西夏のものであり、そうなると敦煌文書が密封されたのは西夏の支配後となる?こうなるとなぜ、敦煌文書が蔵経洞に封じ込められたのか?謎はまだまだ続く・・・ちなみにこれはまだ謎のままです。
写真は経典の発見された17窟「蔵経洞」
約3m四方ほどのこの石窟の中に、六朝から北宋時代の経典、図画など4万点あまりが積まれていた。その様子は想像を絶するものがある。
●57窟●
莫高窟入り口まん前にある窟がこの57窟。
絵葉書などには必ず入っている美菩薩が有名。透き通るほど色白な肌、うっすらピンク色の頬、少し伏し目がちな目線、やさしく微笑む口元、しなやかな姿態、やわらかな指先、そしてそのすべてを彩る金色装身具・・・莫高窟最高の美菩薩であり、美人窟とも呼ばれている。右からみても左からみても同じ方向に向いている視線。観光客を魅了していた。
本窟右側に乗象入胎図が描かれている。乗象入胎図とはある夫人が夢で、釈尊が白象に乗って天から人間界に降りてきたところとガイドさんが説明していた。初唐時代に描かれた壁画は画風が法隆寺のものと似ている。300年前に描きなおされたおかげで今も色彩豊かな壁画が残る。
 シルクロードの見所
 2005年06月28日 11:34
yukinko
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