敦煌の南約5kmに位置し、東西約40km、南北20kmにわたる広大な砂の山々・・・それが、鳴沙山。
シルクロードといえば、新シルクロードの道という本の背表紙にもなっているような、月の砂漠をらくだに乗って進む隊商というイメージを抱いている人が多いと思いますが、ここはそのイメージに一番近く、そして同じように体験できる観光スポットです!
月牙泉のほうに行くには入り口付近に待機しているらくだに乗っていく。この模様は 敦煌ライブのときに書いたのでこちらを参照!詳しく書いています!
鳴沙山という名前は砂山を人が滑り降りるとき
ずずずずーーーという音?
が鳴るからという理由に由来している。
ここの砂はサハラ砂漠のような綺麗なサラサラの茶色の砂ではなく、よく見ると赤、黄、緑、黒色などの砂が混じっている。ただ、らくだでいける範囲の砂漠の砂は黒はなく、売店で砂が10元で売っていました。
ポイントともいえる月牙泉は、鳴沙山の谷あいに湧く三日月形の泉。長さ200m、幅50m、深さ5mの砂漠のオアシスです。一度も枯れたことがない泉のほとりには楼閣が復興されていて、上に登って景色を楽しむこともできる。
この楼閣の中にも衣装チェンジができるコーナーがあり、敦煌古城より少しお高め10元で変身可能!こちらのほうが綺麗な衣装を着ることができます。
鳴沙山には夕方から夜、訪れたほうが涼しく、夕日が沈むごとに砂の山の色が変わっていく様子が幻想的で美しい。夜には砂漠に浮かぶ月を見ることもできる。
敦煌市内からミニバスや自転車をレンタルして気軽にくることができるので夜、訪れてみるのも楽しい。
←写真は328窟の釈迦と2大弟子、左には普賢菩薩、右には文殊菩薩が祭られ周囲には釈迦の説法を聞く菩薩たちの像。こちらも芸術的価値が高い窟。
●428窟●
中央に仏坐像。左右には菩提樹をくくりつけ、樹下説法を表している。この窟は北周に作られ壁画はすべてオリジナル。有名なのがすべてをお布施してしまうスダーナ太子の物語図。スダーナ太子本生は、上段、向かって左から右へ、中段、右から左へ、下段はまた左から右へ、逆S字上に進行。全部で20コマの場面を描いている。国の宝である白象をバラモンに与えてしまったスダーナ太子は追放されてしまう。だが、旅の道中もお布施の気持ちを忘れず、とうとうわが子さえもバラモンに与えてしまう。それを知った父王は子供を買い戻す。本窟の場面はバラモンが子供を連れ去るところで終わってしまう。このスダーナ太子こそ前世の釈迦であったといわれている。
この石窟は1200人の尼僧の寄進によって造られ壁には尼僧の画がかかれ一部には名前が書かれています。
←盛唐を代表する塑像45窟
以上で今回、私が訪れた莫高窟の説明は終わりです。
私は午後の4時間あまりをここ莫高窟で過ごしましたが、一日いる人もいれば3日間かよい続ける人もいるとか・・・・それぐらい費やしてもすべてを見尽くすことができない莫高窟。そして、今まだ発掘中のものもあり、また、新たに開放された窟ありとまだまだ謎が多い世界遺産です。
今回、訪れたのはほんの一部。しかも、ガイドさんによって見れる窟は違うということもあり、見たい窟すべて見切れませんでした。また、やはり観光地だけあり、ゆっくり見ることができません。特に特別窟は人気が高く、ゆっくりじっくり見るということができませんでした。
この巨大な「砂漠の大画廊」。
その名にふさわしい壮大で悠久ロマンあふれる地でした。
●257窟●
←写真はイメージ写真なのでここの窟ではないです。
九色の鹿物語で有名な窟。入って西側の向かって左側から始まり、すぐ右側に向かい、最後は中央で終わりを迎えるという構図になっている。
九色の鹿王は、この血を飲むと不老不死になれるといわれているとても貴重な鹿。めったに人の目にはふれない。ある日、鹿王は川でおぼれている男を助ける。鹿王は人に狙われたくないため、この男に自分の居場所を口止めする。しかし、町に戻ったこの男は賞金欲しさに、国王に鹿王の場所をもらしてしまう。男は鹿王との約束を破ったため、体中に悪いものができて、悪臭を放つ。このうわさを聞きつけた国王も鹿を捕らえたりするということをやめた。というお話でした。
ガイドさんが、懐中電灯で物語を話ながら図の説明をしてくれます。
もう一つ、「沙弥守戒自殺因縁」が描かれている。
戒を守って、自らの命を絶った沙弥の悲しい物語が南壁に描かれています。
●275窟●
細長い長方形の窟の奥に座っている「交脚弥勒菩薩」が有名な窟。三角形の背もたれに飾りをほどこし、台座の両側からは獅子の胴体が出ている。このように脚を交差している仏像は大変珍しい。
北壁中ほどには釈尊の前世説話である、ピリンジェリ王本生、快目王本生、月光王本生のそれぞれのクライマックスが描かれている。随所に見られる飛天は両手を広げ、腰から脚をくの字に曲げ、天衣をまとって飛んでいる。これはインド風の天女の特徴の一つです。
●148窟●
莫高窟の一番南側にある涅槃窟。その名のとおり、横長17m、幅3.5mの巨大な涅槃像が安置されている。タイ、バンコクに行かれたことがある方はタイの涅槃像を想像して欲しい。あのようなきらびやかさはないが、姿形はとてもよく似ている。巨大な涅槃像の後方には83対もの朔像の釈迦弟子、天人、菩薩などが厳しい表情?寂しい気な表情?これは見る人によって違うと思いますが決して穏やかな顔はしていませんでした。
涅槃窟の壁には60のテーマの経変、人物は500をも超えるという超大作!莫高窟最大の大きさを誇る壁画も見所の一つとなっている。
入り口のあたりには東大寺の金剛力士と良く似た金剛力士の像がある。
●249窟●
西魏時代の石窟。壁画や塑像は色鮮やかに保存されている。
写真は莫高窟の入場券にも描かれている窟狩猟図。窟頂下部周辺に山岳が狩猟をしている人間界の場面。上部には中国古来の神仙思想的な天空のイメージが投影されている。
天井には窟飛天図。海底に建つ阿修羅が描かれている。脚が長く、腰には2頭のりゅうが巻きついている。目と手が4つずつあり、上側の手で太陽と月を支えている。右側に風神左側に竜神が描かれている。壁には狼、トラ、羊、猪、駱駝、鹿などの動物や狩人がいる。
人面がいくつも連なる奇妙な珍獣が目につく。これは中国戦国時代お書物「山海経」に出てくる、トラに9つの人面をもつ人物だそう・・・かなりおどろおどろしい・・・
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