初日はルートバーンフォールズ小屋。その名のとおり、小屋の裏手には美しい滝が流れている。
見晴らしがとてもよく目の前に万年雪を抱いた山が見える。
写真手前はガイドトレック専用のハット。その下に見えるのが個人で歩いてくる人たちのためのハット。
設備はほぼ一緒ですが、ガイドトレック専用のほう(写真右)は毛布と枕付。一般トレッカーはマットレスがついているだけなので寝袋は必須!
ルートバーンフォールズ小屋は高地にあり、夜はとても冷え込むのでフォーシーズンの寝袋を持っていったほうがよい。
電気も通ってないので懐中電灯もあれば尚よい。
ルートバーン各小屋のキッチンにはガスコンロが備わっているので自分で持っていく必要がないのがうれしい。ただ、ライターやマッチ、また鍋や食器類、ナイフなどは自分で持参する。
夕食の後も部屋には戻らず、こうやってみんなで暖炉を囲んで今まで歩いた場所や自分の国の話しをするのもハットでの楽しみ。
4つの小屋すべてに夏期の間(10月下旬~3月末)は管理人が常駐するので暖炉に火をつけてくれる。
キッチンとバンクルームを結ぶ廊下?からは雄大な景色を眺めることができる。朝日をあびた山々が澄んだ空気の中でそびえる。
ルートバーンフォールズ小屋の下は木組みになっていて、その下にはなんと!わらびが大量に生えていました!食事に困ったときはそっとわらびをとってゆでて食べてみては?
茎太のかなり歯ごたえあるニュージーランドわらびも堪能できますよ!
ルートバーンフォールズ小屋裏手にある滝
二日目はこの滝の横を登っていきます。
子供連れの旅は、大人の旅と違って、気を使わねばならないことが、もちろんあります。これから小さいお子さんを連れての旅行を考えている皆さんに少しでも参考になれば・・・と思い、私の工夫したこと、感じたことを書いてみます。
●子連れ旅行のポイント
1.大きめのスカーフが大活躍
電車の中は冷えるもの。子供が寝てしまったときに、かけてあげられるし、雰囲気のいいお店では普段着をおしゃれに見せることもできる!とっても便利だった。
2.お絵かきセットや大好きな本
長い移動中、どんなに車窓からの景色がきれいでも、子供は飽きてしまうので、こういったものは必須。子供とは、よく絵のしりとりをした。
3.コンパクトになるウィンドブレーカー
日本よりも、昼夜の気温差が大きく、また天候が変わりやすいので、カッパにもなり、防寒にもなるウィンドブレーカーが重宝だった。
4.水と食べ物
子供は大人のように我慢ができない。車内で騒いだり、泣いたりを避けるためにも食べ物と飲み物は、常に確保するようにした。
飲み物は、飲み慣れない味の甘いジュースは嫌がるので、水に粉末のお茶(持参すべし)を入れて飲ませていた。でも日本のように自動販売機もないし、ノンガスで飲みやすい水にいつも出会えるとは限らない。飲みやすいものをみつけたら、何本か買っておくようにした。なぜいつもの味のお茶が飲めないのか、理解してもらえず困りました。(ウーロン茶を飲みたがった。)
5.外食について
食べ慣れないもの、初めての味に抵抗がある子供と一緒だと、なかなか現地の料理を試すのが難しい。一口食べて
「おいしくない、いらない。」
なんて言われると、2人前食べねばならない状況になってしまいます。
「おいしいですか?」
と笑顔で聞いてくれる店で申し訳なくて残せなくなった私は、無理して食べて立ち上がれなくなりました。
なので、まずは1品、おいしかったら2品にしてもいいかもしれません。デンマークには、バイキング形式のお店が多かったので、利用しましたが、こういったタイプのお店は助かります。
確実に食べてくれるファーストフードという手もありますが、せっかくの旅行中にそれは避けたいですよね。子供は
「味を比べたい」
などと言って、どうにか買ってもらおうとしますが・・・(どの国に行ってもそう言う。)
夕食時、雰囲気のいいお店に子供と2人では入りにくい。そういうお店も、昼間なら入りやすいので、昼にたっぷり食べて、夜は、スーパーでカップスープとパンを買って部屋で食べたりしました。夜歩きも怖いですからね。
余談ですが・・・
オーストリアで、どうしようもなく、日本食が恋しくなったのですが、日本料理店がなく、中華料理店に入りました。最初に出てきたジャスミン茶がこのときほど、おいしく思えたことはありません。
頼んだ料理は、厨房に入って味付けし直したいくらいでしたが、お茶を飲ませてもらっただけでも価値があった、と思うくらい、2人とも日本の味に飢えていました。
●鉄道旅行のポイント
1.ヨーロッパの列車は、日本のように停車駅をアナウンスしてくれるものばかりではない。しかも定刻通りに走ることは少ない。なので、日本出発前に、移動に使う列車を決めておき、その列車の停車駅をネットで調べ、プリントアウトしておいた。(ドイツ鉄道のサイトが便利。)子供が一緒だと、とっさに降りることなど出来ないし、行動がゆっくりになりがちなので、事前に把握できてとても役立ちました。
2.列車だけだと都市だけの訪問になりがち。小さな街は駅から離れていることが多いので、トラムやバスとの組み合わせが楽しい。
3.1日おきに移動するような旅の場合、すべてを頭の中で把握しておくのは難しい。特に子連れの場合には、それどころではなくなるので、事前に日程表を作っておくと動きやすい。
4.移動の多い旅は、荷物を最小限に抑えることが大切。手洗い用の洗剤とハンガーを持参し連泊のとき洗濯をした。空気が乾燥しているので、すぐ乾く。
●好評だったおみやげ
1.買い物袋持参が当たり前のヨーロッパでは、レジ横で布袋も売っている。パン屋さんやお肉屋さんの布袋はかわいくて、喜ばれた。しかも安い。(200円くらい)
2.ドイツのスーパーで売っている粉末ドレッシング。(水と油だけを加えるだけでおいしい。)
3.食べておいしかったSpargel(ホワイトアスパラガス)。持って帰れないのでSpargelスープの素を買ってきた。ハンガリーではグヤーシュの素もあった。
置物などのおみやげよりも、上記のような現地の生活雑貨や食材が喜ばれました。
子供が小さいから旅は無理・・・子供が出来たら旅を楽しめなくなるかも・・・なんて諦めている皆さん!大丈夫です。
私が出来たのだから、誰にでも出来るし、子供がいるからこそ楽しめることもいっぱいあるのです。
親が必死な姿を見せることも大切。そんなときは、逆に子供に助けてもらえるかもしれません。普段の生活の中ではありえない関係が、旅の中では生まれます。
是非、チャレンジしてみてください!
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●情報提供者
(株)ウェブトラベル トラベルパートナー「渋谷 明子」
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●10:20
ルートバーンシェルター
ルートバンシェルター目の前で降ろしてくれる。
早速、出発!
歩いてすぐ、目の前に飛び込んでくるのがこのルートバーントラックの名前の由来にもなっているルートバーン川。
雪解け水が流れ込んでいるためか、水量が豊富。透明度も高く、光があたってキラキラしている。
つり橋を渡り、ブナの森へ。しばらくは平坦な道を歩くので苔むした木や石を眺めながら気軽に散歩できる。森の中を歩いているかと思いきや透き通った水がサラサラと流れる川沿いを歩いたりとハミングしながら楽しく歩けるコースが続く。
やがて2つ目のつり橋を渡る
つり橋を渡ってしばらくいくと広大な平地が広がる。ここがルートバーンフラッツ。1つ目のハット、「 ルートバーンフラッツ小屋」へはメインのルートを外れて5分ほどいった場所にある。
●12:30 ルートバーンフラッツ小屋
フラッツという名の通り平地が目の前に広がる。
ちょうどお昼時に到着したのでランチがてらゆっくり一休み。
昼間は気持ちのいい陽気でゴロンと横になるといつの間にか眠りについてしまう・・・
トイレもあるので小休止という意味でも訪れてみたい場所。
●13:10 ルートバーンフラッツ 出発
トラックに戻るとすぐに登り坂が始まる。少しずつではあるが急な登りが続き、動悸が激しくなる。今までの森歩きから山歩きの始まりだ。
エミリークリークという名前がついたつり橋を渡ると眼下にルートバーンフラッツが広がる。標高が高くなったことを実感する。
途中、地滑り跡を横切る区間があるので足元に気をつけたい。雨の日は要注意だ。
さらに登り続けるといきなり目の前にルートバーンフォールズハットが見えてくる。
●14:20 ルートバーンフォールズ小屋
一日目の歩行距離:8.8km
歩行時間:4時間
今回はグレノーキーからディバイドへぬける西向きのコースを紹介します。
ルートバーンフォールズ小屋とマッケンジー小屋利用の二泊三日で縦走する標準コース。
ディバイドからの逆ルートにぬけるルートでももちろん可能。ただ、観光地であるクウィーンズタウンからのほうが行きやすいという理由で今回私が歩いたコースのほうがポピュラー。
●8:00 クウィーンズタウン発
クウィーンズタウンのDOCオフィス(Shotover ST)でバスを予約する。このトレックバスは主要ホテルでピックアップしてくれるので滞在のホテルを予約時伝える。
出発後、ワカティプ湖畔沿いの道を走り、途中フォトスポットで5分撮影時間をくれる。その写真が一番上。
●8:50 グレノーキー着
約50分ほどでグレノーキーに到着。グレノーキーに滞在していたトレッカーと合流する。
30分停車。
グレノーキーはこじんまりとした小さい街。クウィーンズタウンから日帰りでショットオーバージェットや乗馬などを楽しみにくる観光客が多い。万年雪を抱いた山脈にぐるりと囲まれ、ただ散歩するにも気持ちがいい。
ちょっとしたカフェもあるのでトレッキング前に少し腹ごしらえすることもできる。
グレノーキーからは約30分でルートバーントレックの入り口に到着する。
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●トランスポート
<行き>クウィーンズタウンーグレノーキーールートバーントレック入り口
<帰り>ディバイドーティアナウークウィーンズタウン
料金:$101
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ちょっと高めの気もしますが、これしか交通手段がありません。
ニュージーランドには数え切れないほどトレッキングコースがあります。
そんなにいっぱいコースがあるならどれを選んだらいいの?
と思う方は
「DOC」ドックというオフィスを訪ねてみよう! Department Of conservationの略で「環境保護省」といった役割をになっている場所。
見つけるのは簡単!
DOCのシンボルカラー深緑と黄色の看板が目印。
写真のような色合いです。
DOCのオフィスはトレッキングのベースタウンには必ずあるので
興味があればたずねてみよう!
無料のパンフレットやトレッキングルートの大きいマップなどがおいてある。
DOCのスタッフはアウトドアに精髄したプロばかり。どんな質問にも丁寧に答えてくれる。
ただ、現段階では日本人スタッフはいないようなのですべて英語での対応となる。
トレッキングルートの最初には必ずこの看板がある。
この看板を見ると、このコースがDOCによってきちんと整備され、信頼できるルートであることがわかる。
整備といっても自然の景観を損ねない範囲でうまく手を加えている。滑りやすい場所で木の橋に針金をつけたり、土を少し掘って排水溝を作ったり・・・
整備の仕方がとてもうまい。
泊りがけでトレッキングに行こうと思っている人は必ず、DOCのオフィスでハット(山小屋)の予約をしなければいけない。
特にメジャーなミルフォードやルートバーントレック、トンガリロナショナルパークなどは予約をしないと泊まれないということも。
入山制限されているルートもあるのでいろんな意味でお世話になるオフィスです。
ハットの予約は インターネットからもできます!
ハイシーズンに行く予定の方は先にハットの予約を済ませたほうがいいでしょう。
皆さんのニュージーランドのイメージは?
羊、島国、自然、キウィーフルーツといった感じでしょうか?
ニュージーランドに在住していたときにこの国の魅力的なところは?
と友人に聞かれたときにすぐに思いついたのは
「眺め」
氷河をいただく山々、それを映し出す美しい湖。
アメリカやヨーロッパほどダイナミックではないけれど
みずみずしい葉をつけた木々の間にあるトレッキングの道。
自然だけではありません。
どこまでも続く牧場に草をはむ羊たち。
ゴシック様式の建築物に
彩り鮮やかなイングリッシュガーデンが続く街並み。
南半球ならではの南十字星が輝く夜空の星たち・・・
ニュージーランドは自然と調和する旅ができる場所です。
ではどんな旅?
やはり、自然を思う存分堪能できるトレッキングではないでしょうか?
ニュージーランドではトレッキングのことを「トランピング」と呼びます。
トランプとは「ゆっくり歩いて旅をする」
といったニュアンスの単語です。
険しい道を頂上目指して歩く「登山」とは違い、歩くということを楽しめるコースが豊富にあるのがこの国。
その中でも知名度の高さ、そして「世界一美しい散歩道」と呼ばれ人気なのが
「ミルフォード・トラック」
世界遺産登録されているミルフォードサウンドは氷河によって周囲の山々が1000m以上にわたり、垂直に近い角度で削り取られ、海に落ち込んでいくという壮大な景色を堪能できる場所。
ニュージーランドの代表的景観としてパンフレットなどでもたびたび紹介される。
ミルフォードトラックは確かに歩きやすく、とくに最終日4日目などは平らなよく整備された景色が続き、ディズニーの夢の世界を味わえるよう。
とにかく、人気が高く入山制限もされるほど・・・
ミルフォードトラックもおススメなのですが、よりアルパイン的な雰囲気があり、変化に富んだルートバーントレックやケプラートレックの方がダイナミックで私のおススメのコース。
ミルフォードサウンドがあるフィヨルドランド国立公園内にあるこの二つのトレッキングコースの中でもミルフォードに続いて人気を二分する存在が 「ルートバーントレック」
ミルフォードは「森歩き」
ルートバーンは「山歩き」
途中のコニカルヒルポイントからの眺めは正面はダーラン山脈、奥にはタズマン海のメイソン湾が見えはるばる歩いてきたトレッカーたちの疲れを癒す。
二泊三日で33km歩くこのコースのおススメは
なんといっても山小屋「ルートバーンフォールズ」
ロケーション、施設とともにニュージーランド内でも屈指の山小屋。
名前のとおり、近くには滝もあり一日の疲れをゆっくりとることができる。
もう一つの「ケプラートラック」はティアナウ湖とマナポウリ湖との間にそびえる山々の連なりを巡る全長67kmの周回ルート。
1988年に整備されたルートなので、山小屋も新しく快適。
ルートバーンと同じく変化に富んだ景色、そして、さらに高度感も味わえる人気ルート。
これだけではなくまだまだたくさんのコースが満載のニュージーランドトレッキングコース。
このコーナーでは初心者から一人旅または団体旅行までそれぞれのトレッキングの予約の仕方、歩き方、楽しみ方とさまざまな方面から皆さんにお伝えしていこうと思います。
まずは先日いってきたばかりのルートバーンの景色の写真などを見てもらいながらコース紹介をしていきます。
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