とうとう、連載スタート!連載?!
毎週、ストーリー形式で書いています。同じような旅先での出会い・・・あなたもしたことありませんか?
花の都、パリだ!
とうとう、やってきてしまった。素敵な代名詞が街中にありふれてるパリ・・・シャンゼリゼ、凱旋門、カフェ、クレープetc。本当は、おしゃれして、カフェで足を組んで大きいボールでカフェラッテを飲み、レモンタルトをほおばりながら、本をテラスで読む・・・というのが私が思い描いていたパリでのひととき。が、実際は違った。バックパッカーとしてアジアからヨーロッパと渡り歩いてきた私はどこからどうみても、汚い。しかも、モロッコ帰りで格好はヒッピーそのもの。夜行列車で乗り継ぎ、パリのモンパルナス駅到着は朝3時。
「今、いっても安宿のカウンターはあいてないな・・・」
と一人つぶやき、時間をつぶすために駅の24時間オープンの待合所で寝袋を広げ6時まで時間をつぶす。パリで一番安いユース「Auberge International des Jeunes」受付開始は7時。予約は一切受け付けない。朝、受付した順番に宿泊できるということだ。
お金もまだ、フランスフランに換えてなく、手持ちがなかったため、歩いてユースまでいくことにした。
目的のユースは、オペラバスティーユの近く。だいたい4kmの道のり。霧深い朝もやのパリを歩く。朝のパリはフランスパンを焼く匂いが漂っている。キレイなイメージがあったが、あちらこちらに吸殻が落ちており、浮浪者も東京より多いのではないだろうか?と思ってしまうほどいたるところで寝ている。
目的のユースが見えた!誰も並んでない!ラッキーと思いながら近づくと、甘かった・・・
中の受付にはもう数十人のバックパッカーが待機していた。パリは宿泊費がばかにならないため、パリで一番安いこのユースが人気なのは当たり前。他、あたるしかなさそうだな・・・
と思っていると、受付のフランス人っぽいお兄さんが出てきた。
「女性の一人宿泊希望の方はいませんか?」
神の声!一目散に手をあげた。
私は知らずに行ったのだが、この日、7月14日はフランス革命の日。シャンゼリゼ通りではパレードがあり、イベントもいたるところで盛りだくさんだという。普段でもとりづらい予約が今日は一年でも最も人が多いので宿泊することが難しいらしい。私は本当にラッキーだった。
このユースはカフェとフランスパンの朝食付。本当は宿泊した次の朝から支給なのだが、特にチケットを見せるということもないので、どさくさにまぎれて朝食をとることにする。日本人もちらほら見えたので4人グループに声をかけ、朝食を一緒に食べさせてもらった。
疲れていたせいか、一緒に食べていたものの、あまり話しが頭に入ってこない。ボーっと外のほうを向いてみる。
一人の少年が私の目線の先の窓際に座った。かわいらしい顔をしたその少年と呼んでいいほど幼い顔で、たばこを吸い、大きなボールでカフェオレを飲み、窓の外をボーっとみてる。
「彼もきっと理由はよくわからないけど疲れているのかな?」
左手で頬杖ついて、朝日をまぶしそうにみているその横顔からなぜだかわからないけど、目が離せなかった・・・
次週につづく・・・・