日本のガイドブックに紹介されているレストランで、「地元の人でにぎわう店」と書かれていることがありますが、これはまゆつばものです。なぜなら、ローマ、フィレンツェ、ミラノ、ベニスといった主要観光地に住むイタリア人は、わざわざ観光客の集まる中心街(イタリア語でチェントロといいます)に行って食事をすることはないからです。中心街で仕事をしているイタリア人が、ランチで職場近くのレストランで食事することはありますが、プライベートで友人や家族とわざわざチェントロに出かけてお食事ということはあまりありません。プライベートでの外食は、自分の住んでいる住宅街の一角にある店や、車で郊外や田舎のレストランに行ったりします。彼らにとってチェントロは、「観光客の行くところ」なのです。
そもそもチェントロには、移民などの外国人、留学生、別の町から仕事や勉強でやってきたイタリア人が住んでいることが多く、チェントロで生まれ育って住んでいるイタリア人というのはごく少数です。ですから、「地元の人でにぎわう店」の「地元の人」は、純粋な意味での地元の人ではないことが。
私もチェントロではなく、そこからバスで10分弱の住宅街に住んでいますが、チェントロで食事をすることは仕事がらみ以外ほとんどないので、お客様からの「駅周辺や中心街で、どこかおすすめのレストランがありますか?」という質問には、いつも困ってしまいます。職場のイタリア人に聞いても、「さあね。チェントロで食事なんてしないからなー。」の返事。
それじゃー、イタリアでおいしいレストランをみつけるには、どうしたらいいのか?
まず思いつくのが、「観光案内所のイタリア人に聞く」。しかし、これは必ずしもいい方法とはいえません。
私はシエナにフィレンツェから日帰りで行ったとき、そこの観光案内所の人がすすめてくれたあるレストランで昼食をとりましたが、日本人団体客が頻繁に訪れる完全に観光客向けの店で、味はいまひとつだったという苦い経験があります。
じゃー、「ホテルの人に聞く」っていうのはどうかというと、これも上記同様必ずしもいい方法とはいえません。ホテルの人がお店を紹介してくれて、親切に予約の電話までもしてくれたりすることがありますが、この場合、ホテルの人とレストランが知り合いで、レストランからコミッションをもらっている可能性大です。
それじゃ、どうしたらいいのか。。日本のガイドブックに紹介されている店も必ずしもおいしいとは限らないので、私はやはり、ミシュランなどの信用できるレストランガイドを参考にするのが、失敗がないかと思います。
しかし、わざわざ本屋で購入する必要はありません。ミシュラン、イタリア版ミシュランであるエスプレッソやガンベロ・ロッソ、その他有名なレストランガイドに掲載されているイタリア中のレストランを紹介したサイト
、「DOVE ANDIAMO A CENA STASERA(今晩、夕食にどこへ行こうか)」 を見つけました。
残念ながら、ほとんどイタリア語オンリーなのですが、日本のガイドブックや雑誌で紹介されている店が、このサイトに出ているかどうかチェックするという使い方ができるかと思います。
料理の種類(肉料理、魚料理、ピザ、郷土料理など)で選びたいなら、左側のTIPOLOGIA DI CUCINAをクリック。その次に州の名前がでてきますから、希望の場所をクリック、その次にその州の町名がでてくるので、希望の町名をクリックすると、その地域のレストランリストが出てきます。
ダイレクトに希望の町のレストランリストを見るには、PERCORSO GEOGRAFICOをクリック。あとは上と同じ操作です。
ホテル内のレストランもあるので、ホテル選びの際の参考にしてもいいかもしれません。
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●情報提供者
(株)ウェブトラベル トラベルパートナー「山岸 玲子」
イタリア (フィレンツェ)在住
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