みなさん
『熊野古道』をご存知ですか?
昨年の7月「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産登録されました。その参詣道が熊野古道です。
古代から中世にかけ本宮・新宮・那智の熊野三山の信仰が高まり、険しい山道を上皇・貴族から庶民に至るまで、行列になって熊野に参詣しました。
その様子から「蟻の熊野詣」と呼ばれるようになったそうです。
しかし、江戸時代に、熊野詣が廃れていくにしたがって、熊野古道は忘れられていきました。
では、どうして熊野古道が美しいまま現在まで残っているのでしょうか?
和歌山県は林業が盛んな地方です。
林業の方々が、木の伐採や山の手入れのために熊野古道を歩き山に入ったため、熊野古道はその方々にまめに手入れをされることになり現在に残っているというわけです。
熊野古道は地元の人達が守ってきた場所、そのものなのです。
早速、初めて熊野古道を散策される方にお勧めのコースをご案内します。
発心門王子から熊野本宮大社までの約7km(徒歩約3時間30分)コースがお勧めです。
歩きやすい道ですが、鬱蒼とした古道の雰囲気もあり、また、のんびり田舎の生活を垣間見ることができる道です。
コースの出発点である発心門王子は熊野本宮という「聖域」への入口を意味する場所。古人は発心門王子で気持ちを新たにし熊野本宮大社へ向かったのではないでしょうか・・・。
発心門王子から水呑王子を経て伏拝王子があります。
昔、伏拝王子の小高い王子社からは、大斎原(おおゆのはら)が遠くに見え、その社殿を伏して拝んだことから、伏拝と名づけられたそうです。
現在、本宮大社旧社地・大斎原には社殿はなく、平成12年に建てられた日本最大級の大鳥居の威容を感じることができます。
熊野古道散策のもう一つのお楽しみとして、熊野古道でお弁当を食べてみてはいかがでしょうか?
午前中に発心門を出発し、熊野古道の途中で食べるお弁当は格別です!!
熊野古道弁当を販売している旅館がいくつかあり、
予約をしておけば古道の途中の王子にある休憩所に届けてくれます。これはおすすめ!
山仕事のお弁当として愛されてきた郷土料理の「めはり寿司」は是非食してほしいです。
伏拝王子から祓所王子を越えると、いよいよ最終目的地の熊野本宮大社に到着です。
現在の熊野本宮大社は、明治22年の熊野川の大洪水で流出を逃れた4社殿を大斎原からそのまま移築しています。
熊野本宮大社を知らない方でも、日本サッカー協会のシンボルマークとなっている三本足のカラス「八咫烏(やたがらす)」は、知っていますよね?
八咫烏は熊野権現の使いとされています。
旧社地・大斎原は、熊野本宮大社から約10分程ですので、
是非合わせて訪れていただきたい場所です。そこは霊気が漂う不思議空間・・・また、風水に興味がある方にも大斎原は理想的な風水地形になっているのできっと面白いはず。
散策の後は、熊野本宮の温泉でのんびりがお勧めです。そう熊野本宮は3つの温泉が集まる最高の温泉郷なのです。
川原を掘れば温泉が湧き出す川湯温泉は、冬になると川を堰き止め千人が入れるくらいの大露天風呂ができあがります。
仙人風呂(千人とかけてます・・・)と呼ばれています。
今の季節だと、川遊びとして自分たちで温泉を掘ってみるのも楽しいですよ。
世界遺産登録された世界初の温泉浴場「つぼ湯」があるのは、湯の峰温泉です。
小栗判官が湯の峰温泉に浸かり、息をふきかえしたという、小栗判官照手姫の伝説があります。
また、湯の峰温泉水をDNAチップで成分分析すると、
美肌効果があると考えられるという結果が出ています。
関西で一番の温泉質をもち女性にははずせない場所かもしれませんね。
渡瀬温泉には、西日本最大級の露天風呂があります。
川湯温泉、湯の峰温泉とは一味違い雰囲気をもっています。
色んな温泉を楽しめるクアハウスはおすすめですね。
長々とお話してきましたが、熊野古道に少しでも興味を持っていただければうれしいです。
空港のある白浜や少し足を伸ばせば日本一の那智の滝、那智大社のある勝浦や本州最南端の潮岬等、自然と文化が絶妙にバランスされた場所もたくさんあります。
『熊野古道』ときれいな海を合わせて楽しんでいただくことができますので、是非、熊野本宮へお越しいただき、「心もからだ」もしっかり癒していただければと思います。
●こころとからだの健康づくり 熊野健康村
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●情報提供者
(株)ウェブトラベル トラベルパートナー「西口 美鈴」
和歌山県在住
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