シドニーでタクシーに乗った瞬間
「うわっ!」と思ったことがあった。
初めて
”保護カプセル” を見たときだ。
オーストラリアではタクシーを利用する際、助手席に乗るのが通例だ。
この日、いつも通り助手席へ乗り込もうとしたところ、運転手との間に透明の防御壁が立ちはだかり
「ここはオーストラリアと違うの?」と目を疑った。
助手席は圧迫感となにやら疎外感を感じ、後部座席へ移ることにした。
その保護カプセルは、見るからに仰々しく、オーストラリアってこんなに治安が悪かったっけ?と車内で考えさせられた。
フレンドリーで開放的なオージーに対して、不釣合いな代物ができたものだ。
元来オージーはフレンドリーだが、それゆえ中には度を越して暴徒化する輩も多く、酔っ払うと手が付けられなくなる無法者もいる。
タクシードライバーは恰好のターゲットになってしまうらしい。
シドニーのタクシードライバーの大半は、中国人を中心としたアジア系や中近東の移民して間もない人達が占め、彼らを守るために設置された。
労働者の権利が強いオーストラリアならではの措置か。
移民が多くなればなるほど、より強固な秩序が必要になる。
治安の良さとフレンドリーさが特徴のこの国の複雑な一面でもある。
何はともあれ、シドニーのタクシーは先進的で一見の価値はある。
-----------------------------------------------
●情報提供者
(株)ウェブトラベル トラベルパートナー「川西 哲史」
-----------------------------------------------