人との別れはとても辛いもの。気持ちの変化がわかる短編集のようなひとこま。
長い時間を一緒に過ごした女と別れた日、僕はバイクで旅に出た。
一人旅の夜、寝床にて火が起こせる場所があり、僕は焚き火をした。
必要に迫られているわけでは決してない。
バーナーも、懐中電灯も持っている、食事は道中にて弁当を購入済みだ。
あくまで、気分の問題なのだ。
何するにも深く考えなかった日々、我が侭で自分勝手に生きてきた。
「そこには手を下さずとも、何かがずっと存在してくれている」
そう信じていた。
しかしながら一人旅の夜ときたら・・・・。
その日に見た景色や、道中での出来事を面白可笑しく語る相手もいない。
午後7:37分、もうやる事がない。
いつも何にそんなに時間を使っていたのか?
違うな、そこにあるだけのモノではやれる事が無い、何かが足りないのである。
そんな時、焚き火に薪をくべてみる。
人生が、死ぬまでの間の暇つぶしみたいなモノだとしたら、これ以上何を潰し たらよいのだろう・・・
自分の持ち物と、自分の身の置き場所を、「ひょい」とほんの少しズラしただ けで、僕は手も足も出なくなってしまう。
情けない・・・・。
煌々と燃える焚き火を見つめながら、
「あの時の自分は、本当に自分なの か?」
とも考えたりしてる。
自分が己の知恵と肉体だけを持ってして、出来る事のあまりの少なさに唖然と しつつ、「あー、何て人間らしいのだ!」等と、うそぶきながら孤独な野宿の 夜が更けて行く。
火を囲み、飲むインスタントコーヒーの「美味さ」。
夜空を仰いで、小さなテントに潜り込み、寝袋のジッパーの擦れる音や「ガサ ガサ」と荷物をまとめる音が段々と小さくなり、ゆっくりと目を閉じる。
すると、それまではまるで気が付かなかった、空間を満たす無数の音に、言い 知れぬものが込み上げて来る。
旅の中にある夢が、木漏れ日に揺れる道が、無数の星が何かを思い出させてくれる。
何とも言えない「癒される」瞬間、彼女に感謝するのです。
必要なものと、必要でないもの。
何が必要で、何が必要でないかが、少しずつ見えてくる。
道は道なりに、その人の道があり、その道なりに「癒される旅」があるのです。
<投稿>
きゃーーかっこいいいいいい。ほかのブログ記事、大笑いで読んでいたところ、これには無言で読み入ってしまいました。もう最後の殺し文句、「道は道なりに、その人の道があり、その道なりに「癒される旅」があるのです。 」
彼はこの後どうなった???!
気になります
2005年06月12日
03:29
確かに・・・ゆきんこが携わっているブログは笑いネタのほうが多かったのですが、これはちょっと雰囲気が違いますよね・・・投稿者に続きをお願いしてみようと思います。
2005年06月13日
16:27
彼はこの後どうなった???!
気になります