アルゼンチンのウシュアイアは、南米最南端の町。
チリのサンチアゴから約5ヶ月、寄り道に寄り道を重ねて、ようやくたどり着いた。
「ついに来た・・・」ウシュアイアの海が見えてきた時、目頭が熱くなった。そして、ウシュアイア唯一の日本人宿「上野亭」でホッと安らぎ、まるで自分の家に帰ったかのように寛いだ。
長い間、アルゼンチンの荒野ばかり見てきたせいか、山と海に囲まれた港町ウシュアイアの風景は、地元神戸を思い起こさせ、とても懐かしく感じる。
町の雰囲気は、「最果て」のイメージとは程遠い。
冬は雪に覆われるが、夏のウシュアイアは思った以上に賑わっている。南極クルーズの船が、この町から出ているからである。
ウシュアイアから船に乗れば、1週間から2週間のクルーズで、
あの「白い世界・南極大陸」へ行けてしまうのだ。
宿では、南極帰りの人達の話をたくさん聞くことが出来た。
「南極クルーズ」、それはもう「感動の日々」だったそうだ。
ペンギン達が寄って来て、かわいくてしょうがないとか、
南極を見てしまうと、他のどんな大自然を見ても物足りないとか・・・。
世界最南端の日本人宿「上野亭」は、アルゼンチン・ウシュアイアの山の麓にある。
正式名称は「上野山荘」。またの名を「上野大学」。
ここは長期旅行者、特に自転車やバイクでの旅行者に有名。
自転車やバイクで南米を旅する人は皆、ウシュアイア「上野亭」を目指す、と言っても過言ではない。
上野夫妻は、もともと宿をやっていたわけではなかったが、ある日、寝場所に困った日本人旅行者が、警察に紹介されてやって来たのだ。これがきっかけで旅行者を受け入れるようになり、おじさんが亡くなった今でも、多くの旅人達が集まってくる。
私達も、もう80を過ぎた上野のおばさんに元気をもらった。
上野夫妻は、日本人がまだ自由に海外旅行ができなかった時代に、移民としてアルゼンチンにやってきたそうだ。
その後アルゼンチン各地を転々とし、最後に落ち着いたのがこの町、南米最南端のウシュアイアだったのだ。
海と山に囲まれた港町、ウシュアイアの風景を見ていると、神戸出身のおじさんが、ここを選んだのも分かるような気がする。
いつか、南極行きを兼ねて、ウシュアイアの故郷「上野亭」をまた訪ねたいと思う。
その時までは、おばさん、元気で居て下さい!
「上野亭」では、こんな美味しい思いもできるのだ。
長く滞在していると、カニの他、ウニ、マスなどに巡り合う事もできる。
「ウシュアイアのウニ」は、今まで味わったことがないような、
ふわふわで甘~くて、とろけそうな味わい!
上野亭の名物「五右衛門風呂」は、100年前のドラム缶でできているそうだ。
あったか~いお湯につかると、長旅の疲れも吹っ飛んだ。
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上野亭
AYELEN 126, BARRIO LOS MORROS, USHUAIA
1泊12ペソ(2004年現在)。自炊可。ドミトリー。
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●情報提供者
(株)ウェブトラベル トラベルパートナー「深山 哲夫」
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