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美しきシレンディ湾(ゴゾ島)。(5月10日/出発から29日目) [マルタ]

マルタ共和国は、マルタ本島、ゴゾ島、コミノ島、そしていくつかの無人島からなっている。マルタ本島も非常に海が美しいのだが、なかでもとりわけ美しいのはゴゾ・コミノ島だ。

ゴゾ・コミノ島とも、観光スポットへの島内のバスは少ない。
最大の目玉であるジュガンティーヤ遺跡へは午前中のみ、しかも一時間に一本という不便さ。この暑さでバスの時刻を気にしながら島内観光をするのは難しいと思い、ゴゾ島を一日かけて巡るツアーに申し込んだ。おかげで、非常に楽で楽しい一日となった。


ゴゾ島にある博物館、ジュガンティーヤ遺跡、カリプソの洞窟、首都ビクトリアなどをめぐるツアーだったのだが、中でも印象的だったのは昼食時に訪れたシレンディ湾。

その美しさ、半端ではない。波一つない穏やかな湾には、マルタ特有の極彩色の漁船が浮かび、紺碧の海は岸壁からでも泳いでいる魚を目視できるほとの透明度。

湾にはおしゃれなレストランやホテルが並んでいるのだが、静かでおだやかな海と同じように、
のんびりとしたムードが漂う。


湾の右側にちょっとした洞窟へつながる遊歩道があって、そこへ行った。私はお弁当持参で来ていたので、美しい場所を探して食べようとランチタイムをそれは楽しみにしていたのだ!

洞窟を抜けると、期待通りの美しい海が広がっていた。足下には魚が泳ぎ、エビの姿も見られる。何てすばらしいのだろう!!

朝早くに用意したトマトとタマネギのスライス、それにベーコンとレタスをピタパンにはさみ、美しい海に足をひたしながら、いただく。
こぼれおちたパンくずをねらって、魚たちが集まる。

こんな穏やかな時間、一体どれくらいぶりだろう・・・。
ギリシアからずっと、忙しくし過ぎてしまい、地中海の美しさをのんびりと堪能することがなかったような気がする。

美しい海とすばらしい遺跡、それに世界遺産の町並み。
マルタは、せっかちな私までもをとろけさせてしまうような、そんな魅力に溢れている。
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categoryマルタ  time2005年05月10日 22:25

マルタの巨石神殿。(5月9日/出発から28日目) [マルタ]

マルタには、30もの巨石神殿が存在する。

歴史の教科書には古代四大文明が一番に挙げられているが、それよりもさらに時代を遡る古い遺跡だ。今日はその中でも、マルタの南、海に面しているハガール・キムとムナイドラ神殿へ行って来た。



マルタの日中はめちゃくちゃ暑い。太陽だけでなく、遺跡のような木陰もないところでは照り返しもひどく、観光は困難だ。だから今日も朝一番で行こう、と勢い込んで首都・ヴァレッタへ向かったのだが、ハガール・キム方面へのバスの出発は9時45分。ハガール・キム遺跡の先にある、ブルーグロッタという青の洞窟へ遊びに行き、そのあとで遺跡に向かったので、必然的に遺跡への到着は、太陽が強烈な12時に近かった。

ちなみにほぼ全てのバスの終点・始発は首都ヴァレッタ。私のいるサン・ジュリアンから現地への直行便はなく、とにかくどこへ行くにもヴァレッタで乗り換えねばならないという、分かりやすいけど時間のかかるシステムなのだ。しかし島自体が小さいので、それでも間に合っているのだった。

ハガール・キムとムナイドラ神殿が建てられたのは紀元前3600年前から2500年前だという。今から5000年以上も前だ。何十トンもある石がそこかしこに積み上げられ、訪れる人を威圧する。現在の技術を持ってしても、何の重機も使わず、接着剤も使わないで積み上げるのは難しいのだそうだ。それを、5000年もの昔、ここに住んでいた人々はやってのけたのだった。高度な文明を持っていた彼らが、その後どうしたのかは謎のままだという。



遺跡の中央には巨大な石が白く光り、その向こうには紺碧の海が広がっていた。

数多くの巨石の中には、生け贄を捧げたとされるテーブルや、生け贄をつないでおくための穴があいた石柱などがある。人類の黎明期とも言える時代に、これらの巨大神殿を造った謎の人々。ふとたたずんでいると、どこからともなく聞こえてくる祈りの声が石にこだまし、古代にタイムスリップしそうになる。

炎天下で歩き回り頭がやられてしまったのか。

しばらく石の影で、古代から聞こえてくる人々の声に、耳をすませた。
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categoryマルタ  time2005年05月09日 23:22

地中海の中心「マルタ」で、暮らすように過ごす。(5月7日/出発から26日目) [マルタ]

ついにアコガレのマルタへ上陸した!!



マルタはロドス島に拠点を構えていた聖ヨハネ騎士団が、スレイマン大帝によって追われ、何十年もヨーロッパの各地を点々とした後、ようやく腰を落ち着けることの出来た場所だ。
(聖ヨハネ騎士団に関しては、ロドス島の中で結構触れたので割愛する。)

行く先もないままみじめにあちこちを放浪し、ついにこの地を得たときの喜びはどんなだっただろう。心の中はオスマントルコへの復讐、そしてキリスト教世界を見返してやりたいという気持ちで一杯だったに違いない。

時の騎士団長はスレイマンへの報復を誓う、ジャン・ド・ラ・ヴァレッテ・パリゾン。殺伐としたマルタ島を堅牢な城砦へと作り変え、43年ぶりに再びスレイマン大帝と刃を交わし、今度はマルタを守り抜く。マルタの首都、ヴァレッタはその彼の名を冠しているのだ。

だから、ロドスからマルタへやってきた私には、余計に感慨深い。
ラ・ヴァレッテを追って(??)ついに来ちゃったわ、とひとしきり興奮する。

マルタの魅力は、騎士団によって作られた城塞だけではない。マルタからは「巨石神殿群」と呼ばれる数々の遺跡が発見されており、それらはエジプト文明よりもずっと古いとされ、科学的に証明できない謎に満ちている。



  
他に、地中海の紺碧に輝く海、数々のアクティビティと、遺跡も自然もリゾートも、全部兼ね備えている小さなワンダーランドなのだ!!
そのマルタ島で、コンドミニアムを借り、暮らすように過ごしている。

私の借りたコンドミニアムは、サン・ジュリアンという一番のリゾート街にあり、左側の岬にウェスティン、右側の岬にヒルトンがある湾の中心に位置している。部屋は海に面してはいないけど、歩いてすぐ海に行けるし、近くにはスーパーやバー、カフェが軒を連ねている。

スーパーで買い物をしていたら、2人の日本人の女の子に出会った。聞くと、彼女たちはこの近くの語学学校で英語を勉強しているという。


最近マルタは、短期の語学留学で注目を集めているのだ。日本語で会話をするのが1週間ぶりの私は、迷わず2人をランチに誘った。部屋に戻り、スーパーで買ったイカとほうれん草のトマトベースのパスタを作り、アボガドのサラダを用意した。久々の日本語での会話は楽しいものだった。

こんな風にホームパーティーが出来るのも、キッチン付きのコンドミニアムならでは。
マルタではいつもの旅には無い、ゆったりとくつろいだ滞在にしたい。
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categoryマルタ  time2005年05月07日 21:55

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